先に大和国の前方後円墳・前方後方墳についてデータベースを制作し、これを発展させて全国の前方後円墳・前方後方墳データベースを制作・公開してきました。このたび、新たに主要な円墳・方墳等を加え、全国古墳データベースとして公開します。
古墳時代の社会構造やその変遷を知る上で、古墳を立地・墳形・副葬品やその変遷などから研究することは、当時の集落の研究とあわせて必要不可欠といえます。しかしながら、その数は、現在確認されているもので約16万基とされ(「令和3年度 周知の埋蔵文化財包蔵地数」文化庁)、全ての古墳を網羅することは小規模な研究グループでは大変困難なことです。そのため、本データベースでは対象を前方後円墳と前方後方墳のほか、国や都府県の史跡に指定されたものをはじめ主要な円墳・方墳等とし、古墳の位置、形状、出土品などの概要を検索し、地域ごとに地図上で表示できるようにしています。本来であれば全国を対象にして地図上で表示できることが望ましいのですが、データの量が大きく今後の課題といえます。
なお、本データベースは2007~2009年度奈良女子大学文学部「古代文化地域学実習」において作成された近畿・九州を中心とする前方後円墳データベースをもととし、奈良県に関しては奈良女子大学21世紀COEプログラム「古代日本形成の特質解明の研究教育拠点」およびその継続事業を担った奈良女子大学古代学学術研究センターの成果を利用しています。奈良県以外は平成19~21年度科学研究費補助金基盤研究(C)(研究代表者:出田和久、課題番号:19520674)と平成25~27年度科学研究費補助金挑戦的萌芽研究(研究代表者:出田和久、同分担者:石﨑研二、同協力者:宮崎良美、課題番号:25580174)、平成29年度~平成31年度科学研究費補助金基盤研究(C)(研究代表者:出田和久、研究協力者:石﨑研二・宮崎良美、課題番号:17K03245)の成果を利用しています。
このほか、埋蔵文化財調査報告書や次の資料・データベースも参照しました。
文字 | 置き換え後 |
だ | |
椀 | |
、 | 禄 |
上掲のデータ出典および参考資料などのほか、地形図、地形分類図、現地観察等をふまえて分類しています。
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の空中写真、数値地図200000(地図画像)及び基盤地図情報を使用しました。(承認番号 平28情使、 第821号)
参照した資料は次の通りです。
なお、海岸線・国境は簡略化していますので、精確なものではありません。1万㎡以下の島嶼は省略しました。